深井穫博
(深井保健科学研究所)
はじめに
う蝕予防におけるフッ化物応用は,この50年以上の間,科学的根拠(Evidence Based Healthcare)が明確な口腔の健康増進対策として世界的規模で普及してきた方法である。しかも数多くの基礎研究,疫学研究の成果および臨床応用を基盤とした生命科学に基づいた予防対策である。その端緒は,1945年に米国ミシガン州グランドラピッズ市で開始された水道水フッ化物添加(水道水フッ化物濃度調整法:water fluoridation)事業である。それ以降,公的専門機関からのフッ化物応用の有効性と安全性に対する見解と推奨は繰り返し公表され,先進国を中心にフッ化物の全身的応用と局所的応用が普及した結果,小児う蝕の激減をもたらした。
わが国においても1949年には,厚生省・文部省編による「弗化ソーダ局所塗布実施要領」が発行されて以降,国や多くの専門機関によってその有効性と安全性が示されている1)。しかし,いまだに全身応用として水道水フッ化物添加を実施している自治体はみられず,局所応用として,歯科臨床(professional care),小学校などの施設および地域 (community care),あるいは家庭での応用 (self care)として取り組まれているが,これらが必ずしも連携して国民ひとり一人の生涯におけるう蝕予防システムとして定着するには至っていない。
フッ化物応用は,小児期のう蝕予防に限らず,生涯にわたって効果が期待できる方法であり,高齢化社会のなかでの歯の健康維持とそれに伴うQOLの向上を得るための手段としてもその重要性が益々高まっている。本稿では,歯科臨床での取り組みを中心にわが国で行われているフッ化物局所応用の実施方法について解説する。併せて,地域保健としてのフッ化物応用における臨床医の役割についても述べる。
1.フッ化物局所応用のう蝕予防メカニズム
フッ化物イオンの抗う蝕作用は,①歯質に対する作用と,②歯垢中の細菌に対する作用の2つの働きがある。歯質に対する作用は,歯の結晶性の向上とフルオロアパタイト(Ca10(PO4)6F2)の形成による歯質強化と初期う蝕病変に対する再石灰化の促進作用である。細菌に対する作用は,フッ化物が解糖系の酵素であるenolaseおよびphosphoglyceromutaseの活性を阻害し,菌体外への有機酸の産生を阻害するという抗酵素作用と多糖体合成阻害による抗菌作用が知られている2)。このなかで,再石灰化促進作用は,特に重要な作用機序として指摘されている。
う蝕の発症メカニズムは,エナメル質に初発する歯冠部う蝕も,歯根部象牙質を主とする病変である根面う蝕も,その初期にはいわゆるう窩を形成されるわけではなく,表層下のミネラルが酸により溶出した状態である。脱灰とは,歯質・無機質であるハイドロキシアパタイト(Ca10(PO4)6(OH)2)が酸によって溶出した状態であり,再石灰化とは脱灰によって失われたミネラルが回復する現象である。下式に示した右方向が脱灰であり,左方向への反応が再石灰化である。この脱灰・再石灰化現象は,両方向性であり,エナメル表層だけでなく,表層化脱灰内部でも発現している。そして低濃度のフッ化物イオンの存在が,この再石灰化を促進することが知られている3)。
Ca10(PO4)6(OH)2+8H+ ⇔10Ca2+ + 6HPO42- + 2H2O
フッ化物のう蝕予防メカニズムには,フッ化物イオンが低濃度(数ppmレベル)の場合と高濃度(%レベル)の場合で異なる。
1)高濃度フッ化物イオンの作用機序
臨床で応用されるフッ化物製剤の多くは,高濃度のフッ化物製剤である。フッ化物歯面塗布など高濃度のフッ化物の場合,反応生成物としてフッ化カルシウム(CaF2)が生成される(式①)。口腔内ではこのフッ化カルシウムは,HPO42-や唾液に由来するタンパク質の影響を受けてCaF2様物質として存在する。このCaF2様物質は,エナメル表面がpH5あるいは4という酸性状態では唾液中に溶解し,低濃度ながらCa2+やF-イオンの供給源となる(式②)。中性閾においてCaF2 が形成されるフッ化物イオン濃度の下限は300ppmであると報告されている4)。
Ca10(PO4)6(OH)2+20F-→10CaF2+6PO43-+2OH- ①
Ca10(PO4)6(OH)2+2F-→Ca10(PO4)6F2+2OH- ②
2)低濃度フッ化物イオンの作用機序
低濃度フッ化物イオンの作用機序は,脱灰抑制と再石灰化促進効果である。低濃度のフッ化物イオンは,(1)エナメル表面,(2)結晶周囲,(3)結晶内の3部位においてこの脱灰抑制と再石灰化促進に重要な働きをしている(図1)。このうち特に(1)が重要であり,エナメル表層の再石灰化を促進するには唾液中に0.03~0.5ppm程度のフッ化物イオン濃度が必要となる。また,(1)および(2)のフッ化物がエナメル質表面および結晶周囲を完全に被覆している場合は,そのハイドロキシアパタイトはフッ化物イオンを結晶中に取り込んでいなくても脱灰抑制作用はフルオロアパタイトに相当する程度になる。唾液中の本来のフッ化物イオン濃度は0.05ppm未満と低く,再石灰化を発現するには,酸産生を抑えるための歯垢の除去(プラーク・コントロール)とフッ化物応用が不可欠となる5)。
2.歯科臨床におけるフッ化物応用とインフォームド・コンセント
1)臨床におけるフッ化物応用法とその対象
歯科臨床に関連するフッ化物応用法には,フッ化物歯面塗布,フッ化物洗口,フッ化物配合歯磨剤,フッ化物徐放性修復材・小窩裂溝填塞材などのフッ化物製剤の使用などがある。これらのフッ化物応用は,対象者のリスクにあわせて選択され指導される方法である6)。しかし,そもそもこのう蝕発病リスクには,個人レベルのリスクと,地域レベルのリスクがある。個人レベルのリスクには,(1)年齢に伴って発現するリスク(歯の萌出時期,歯根面の露出など)と(2)その人の個別的なリスク(唾液の性状,口腔清掃状態,甘味摂取状況,フッ化物の応用頻度,定期的歯科受診状況など)である。それに対して,地域レベルのリスクとは,歯科医療サービスの質やフッ化物応用の普及度などである。
EBM(Evidence-Based Medicine)は,システマティックレビュー(systematic review)やメタアナリシス(meta-analysis)の手法を用いて,治療法や予防法に関する効果の客観的な評価結果を示すものである。フッ化物応用法は,その中でも最も強いエビデンスを有するう蝕予防法として位置づけられている。米国・予防医療研究班(1989)を端緒として7),EBMの手法を用いたガイドラインやシステマティックレビューが相次いで報告されている(表1)。スコットランドのう蝕ハイリスク小児に対する予防対策(2000),英国York大学における水道水フッ化物濃度調整法に関するシステマティックレビュー(2000),CDC米国におけるう蝕の予防とコントロールのためのフッ化物応用に関する推奨(2001),コクラン共同計画におけるフッ化物局所応用に関するシステマティックレビュー(2004)などである8)。これらの中で,う蝕ハイリスクという表現がしばしば用いられ,リスク判定に基づくフッ化物応用プログラムが推奨されている。
しかしながら,わが国では,いまだに高いう蝕罹患状況を示し,しかもフッ化物の全身応用が行われていない。そのため,乳幼児から高齢者にいたるまでの全ての人々が各ライフステージにおいて口腔内に常時,微量のフッ化物が存在し,再石灰化が促進されることがう蝕予防の要件となる。
2)フッ化物の代謝と適正な摂取量
フッ化物は,自然界に広く分布する天然の物質である。約90種の天然元素中,地殻におけるフッ化物含有率は13番目に多く約650ppmであり,クラーク数では17番目で約300ppmである。海水中には約1.3ppmのフッ化物が含まれる。フッ素は生体必須微量元素であり,人間の体内には成人の場合約2.6gが存在している。生体内の分布をみると,骨中のフッ化物濃度は,飲料水のフッ化物濃度や年令によって異なるが,ほぼ1000~3000ppmの範囲である。歯のフッ化物濃度をみると,飲料水中のフッ化物濃度によって異なるが,低フッ化物地区居住者でエナメル質表層の濃度は,500~1000ppmである。唾液は,0.01~0.04ppmであり,歯垢中のフッ化物濃度は唾液中の50~100倍となる。
またフッ化物は,天然に広く分布しているので,日常の飲料水やお茶などから摂取され,食品由来のフッ化物も多く,特に海産物には高濃度のフッ化物が含まれている。日本人の一日フッ素摂取量は,年令によっても異なるが,およそ0.5~3mg/日となる。しかし,食品中のフッ化物の体内吸収率は低く40~60%である。生体内に吸収されたフッ素はその大部分が尿中に排泄される。成人では24時間で90%以上排泄されると考えられている。小児の場合には,30~40%が体内(硬組織,主として骨格系)に蓄積される2)。
フッ化物の適正摂取量と許容量については,わが国では定められていないが,米国学術会議の医学研究機関(Institute of Medicine)では,フッ化物の適正摂取量(AI: Adequate Intake)と許容上限摂取量(UL: Tolerable Upper Intake Level)が定められている。AI値は,0.05mg/kg/日が基本となっている(表2,表3)。フッ化物には人種による感受性は認めてられておらず,わが国においてもこの米国の基準は参考になる9,10)。
3)フッ化物応用のリスク管理
フッ化物の中毒には急性毒性と慢性毒性がある。誤って大量のフッ化物を一時的に摂取した場合に起こるのが急性中毒であり,高濃度のフッ化物を長期間に摂取した場合に起こるのが慢性毒性である。
急性毒性の発現量は2mg/kgとされている。これは,Baldwinが自ら様々な濃度のフッ化ナトリウム(NaF)を飲んでみて,NaFで0.25g(250mg)で急性中毒症状が現れたという報告に基づく。成人の場合の急性中毒発現量は,NaFで250mg(Fで112.5mg)であり,体重1kg当たりフッ素として約2mgと設定される。この急性中毒症状は,フッ素に特有な症状ではなく,一般に毒物中毒に見られる所見であり、吐気,嘔吐,腹痛,下痢などの症状として見られる。その処置については,服用したフッ素量によってその対処は異なる。5mg/kg以上の場合には胃洗浄後のカルシウム剤の投与や入院による経過観察が必要となる(表4)。
致死量として広く受け入れられている量は,NaFとして5~10g(Fとして2.26~4.52g)であり,体重1kg当たり約45mgのフッ素(約70mgNaF/kg)とされている2,11,12,13)。
慢性中毒では,長期間にわたり高濃度のフッ化物を飲料水から摂取した場合に発現する症状であり,歯のフッ素症(dental fluorosis)と骨フッ素症(osteofluorosis)がある。歯のフッ素症は歯の形成期中に過剰量のフッ化物を継続的に摂取していた場合に生ずる特異的な歯の形成障害,およびエナメル質の異常である。以前はMackayによって斑状歯(mottled teeth)と名付けられたものである。飲料水中に高濃度(1~2ppm以上)にフッ化物イオンを含んだ地域に6~8歳くらいまで育った者に起こる。わが国では水道水のフッ化物濃度基準は0.8ppmであり,通常,水道水を摂取している人々には発生しない。この「歯のフッ素症」は,摂取したフッ化物濃度によってその症状は異なる。また,骨フッ素症は,骨中フッ素濃度によってその病態が異なり,運動障害性の骨フッ素症は,10~20ppmのフッ素を含む飲料水を少なくとも10年以上毎日摂取した場合に生じると推定されている。この歯のフッ素症と骨フッ素症がフッ素の慢性中毒とされているものであり,その他の臓器に対する異常は認められないと考えられている2)。
これらのフッ素の急性中毒および慢性中毒は,臨床の場面では,使用適正量が定められているので,通常は起こることは考えられない(表5)。しかし,リスク管理と患者への説明として,常に念頭にして把握しておく必要がある。
4)継続応用のための臨床予防歯科システム
フッ化物局所応用法は,対象者が継続して実施することで高い効果が期待できる予防法である。フッ化物配合歯磨剤の利用は,メディアなどを契機として開始される場合があるが,組み合わせ応用や,詳細な使用法については,専門家からの指導が必要になる。またフッ化物洗口法は,施設においても家庭での実施においても継続のための支援が必要になり,フッ化物歯面塗布では,歯科受診が前提となる。
これらのフッ化物応用は,住民・患者側からみると,新たな口腔保健行動の獲得と維持に関わることであり,歯科医療機関においても口腔保健行動の定着に焦点をあてた臨床予防歯科システムが必要となる。具体的には,(1)科学的根拠に基づく実施,(2)対象者の個別性にあわせた健康情報の提供と保健指導,(3)予防効果を判定し,受診者も自覚できる専門家からのコミュニケーション,(4)口腔保健行動の獲得と定着にいたる対象者のステージにあわせた専門家の支援である(図2)。
これを,①来院者の状態を長期間にわたって記録し,その情報を蓄積してしかも適切に提示できる記録票の作成とそのファイリング・収納のシステム,②治療が終了後,定期歯科健診に移行する意義を来院者が受容するための健康教育とリコールのシステム,③来院者の口腔内状態や生活の背景を適切に診断して,予防処置と保健指導に生かすための診療のシステム,④健康教育の科学的根拠としての保健情報,来院者の行動変容にかかわる行動科学の理論,それらを来院者に伝えるコミュニケーション技術のスタッフへの教育システム,など地域の実情にあわせて個々の歯科医療機関がシステムとして取り組むことが求められる。
3.フッ化物歯面塗布法
1)フッ化物塗布法の概要
フッ化物歯面塗布法は,萌出後の歯の表面に直接フッ化物を作用させる方法であり,歯科医師や歯科衛生士などの専門家が行うフッ化物応用法である。う蝕予防の有効性は,1942年にCheyneやBibbyによってはじめて報告された。その後,Kunutsonらの一連の研究で2%フッ化ナトリウム溶液による塗布法が確立され,1950年代にMuhlerらによって8%フッ化第一スズ溶液による塗布法が発表された。さらに,1960年代になるとBrudevoldらによってリン酸酸性フッ化ナトリウム溶液の塗布法が開発確立された14)。
わが国では,1949年に厚生省・文部省による「弗化ソ-ダ局所塗布実施要領」が発行されて以降増加し,厚生省歯科疾患実態調査によれば,1歳以上15歳未満で一度でもフッ化物歯面塗布を受けたことがある者の割合は,1969年では6%に過ぎなかったが,1999年では42%を示している1)。
本法は,個人を対象に歯科医療機関で実施する方法と,母子保健,学校保健などの地域保健のなかで集団を対象に実施する方法がある。乳歯と永久歯いずれにもう蝕予防効果が期待できる。
2)フッ化物歯面塗布に用いられる製剤
わが国でフッ化物歯面塗布用として用いられている製剤は,数種類の溶液とゲルが用いられている。フッ化物歯面溶液・ゲルには下記の4種があるが,このうちフッ化第一スズ溶液以外は製剤化されている。
(1) 2%中性フッ化ナトリウム溶液(Sodium Fluoride Solution, NaF):製剤には「フルオール液R」がある。
(2) 8%、4%フッ化第一スズ溶液(Stannous Fluoride Solution, SnF2)
(3) 2%リン酸酸性フッ化ナトリウム溶液(酸性フッ素リン酸溶液,Acidulated Phosphate Fluoride Solution, APF溶液):第1法(フッ素濃度1.23%,0.1Mリン酸,pH2.8-3.0)と第2法(フッ素濃度0.90%,0.15Mリン酸,pH3.4-3.6)がある。製剤には,「フローデンA液R」がある。
(4) 2%リン酸酸性フッ化ナトリウムゲル:上記第2法の処方のものをゲル状にしたものであり,製剤には「フロアーゲルR」,「フルオール・ゼリーR」がある。
3)フッ化物歯面塗布の対象年齢および実施頻度
フッ化物歯面塗布は,萌出直後の歯に対して行うのが効果的である。これは,萌出して間のない歯は反応性が高く,歯の表面へのフッ素の取り込み量が大きいことと,う蝕に最も罹患しやすいのは,歯の萌出後2~3年の間であるとされているためである。従って,乳歯が萌出後の生後10ヵ月前後から開始し,永久歯第二第臼歯が萌出する13歳頃までの間は特に重要なう蝕予防法となる。また,成人・高齢者に対しても根面う蝕の発生を抑制することが報告されている。
実施頻度については,最低年2回,できれば年3回~4回の実施が勧められる。ハイリスク児(者)への対応については,最近の世界的な傾向として,フッ化物歯面塗布は,中等度および高度のう蝕活動性を有する個人・グループ,特定のニーズをもつ患者,低フッ化物地域において適用すべきものとされている。わが国おいては,水道水フッ化物添加などの全身的応用は実施されておらず,地域単位でみてもう蝕罹患状況はいまだに高いので,あらゆる対象者に勧められるう蝕予防法として位置づけられる。
4)フッ化物歯面塗布の術式
次の6つのステップで行われる。
(1)器材・薬剤の準備
(2)歯面清掃
(3)簡易防湿と乾燥
(4)薬剤の塗布
(5)防湿除去・余剰薬剤の除去
(6)塗布後の注意事項
塗布の術式には,歯ブラシや綿球,綿棒を用いる方法とトレー法あるいはイオン導入法を用いる方法があるが,効果に変わりは認められない。むしろう蝕予防効果を左右するのは,応用する時期と頻度である。
歯面清掃は,歯面にフッ化物を十分に作用させるために歯垢を可及的に除去するために行う。防湿は,ロール・ワッテなどを用いた簡易防湿であり,エアで歯面を乾燥させて塗布する。歯面への塗布は上下・前歯・臼歯などのブロック毎に行う。フッ化物の作用時間は,4分間とされているが,実施上の処置としては,塗布対象者の歯の萌出状況や協力の程度によって異なり,1~4分間応用することが一般的である。使用薬剤量は,溶液の場合は1人1回2mlをコップにとり,そこに綿球を浸す。ゲルは1人1回1g程度(パイル皿のくぼみにすりきり1杯)を目安にする9)。ロール・ワッテの除去時に余剰の薬液・ゲルをぬぐい取る。塗布後の対象者への注意事項としては,塗布後の30分間はうがいや飲食を禁止する。また,繰り返し塗布して効果が得られることを伝え,再塗布への動機づけを行う。
5)使用薬剤量と安全性
フッ化物歯面塗布は年数回実施されるものであるので,慢性毒性の心配はなく,急性毒性についてのみ考えればよい。わが国で現在用いられているフッ化物歯面塗布液はフッ素濃度9000ppmであり,薬剤1ml中に9mgのフッ素が含まれている。1回の塗布に使用される薬剤量は,2ml以内であり,3歳以下では1mlでよく,ゲルでは1gである。フッ素の急性中毒発現域は1kg当たり2mgであり,薬剤1~2ml中に含まれるフッ素量は9~18mgとなる。体重20kgの小児では40mgであり,使用薬剤を全量飲み込んでも急性中毒の危険性はない。また塗布による口腔内残留率は通常15%程度であり,1~3mgとなり十分に安全な量である。しかし,フッ化物歯面塗布に用いられるフッ化物イオン濃度は9000ppm(0.9%)と高く,薬剤の保管や塗布時の使用量には十分な注意が必要である。
6)う蝕予防効果
永久歯のう蝕予防効果は,1940年代から数多く見られるが,実施対象の年齢,実施時期,使用薬剤の種類によって違いがみられる。全体的にみて20~40%程度のう蝕予防効果が得られるとされている。
乳歯に対するう蝕予防効果もわが国で多く報告され,30~70%の予防効果が報告されている。なかでも,ある地域で行われた10ヶ月児から2ヵ月に一度の頻度で歯ブラシ・ゲル法を用いた応用の結果,ベースライン時との群内比較で3歳児のdmftで69.5%のう蝕抑制率が示されている2,5)(表6-1, 表6-2)。
4.フッ化物洗口法
1)フッ化物洗口法の概要
フッ化物洗口法は,国外では1960年代から開発され,フッ化ナトリウム溶液で週一回あるいは毎日,30秒~1分間洗口することによってう蝕予防を図る局所応用法の一つである。国内では1970年代から小学校などスクールベースの応用法として普及し,施設での集団応用と家庭で行う個人応用がある。現在のわが国の普及状況は,施設が約30万人,家庭での実施が約30万人の60万人と推計されている15)。
本法は,洗口を本人が主体的に行うという意味で自己応用であり,簡便で費用も安価であるので,保育所,幼稚園,学校などの集団で応用できる点が大きな特徴である。この方法は,4歳以上に応用されるものであるので,乳歯に対するう蝕予防法としては不十分であり,永久歯に高いう蝕予防効果が期待できる。しかも永久歯萌出期の数年間にわたって継続して応用することで効果がより高まるので家庭で個人的に実施するよりも学校などの集団で行われた場合の効果が高い。また,成人期以降にも適用される。2003年1月には厚生労働省からフッ化物洗口ガイドラインが公表され,国としてのフッ化物洗口の効果・安全性が体系的に示された16)。
2)使用薬剤と実施方法
フッ化物洗口法の実施方法には,毎日法と週1回法がある。毎日法は,0.05%フッ化ナトリウム溶液(フッ素濃度225ppm)を用いた洗口法で1日1回(または週5回)行う。週1回法は,0.2%フッ化ナトリウム溶液(フッ素濃度900ppm)を用いた洗口法である。 両者のう蝕予防効果については,大きな差異はみられない。
洗口剤には,市販品としての製剤を用いる方法と,歯科医師の処方によるフッ化ナトリウム試薬(特級あるいは1級試薬)を用いる方法がある。使用する薬剤は,中性のフッ化ナトリウム(NaF溶液),あるいは酸性に調整されたフッ化物溶液が使用される。製剤には,ミラノ-ルR(東洋製薬化成株式会社)とオラブリスR(昭和薬品化工株式会社)が認可されている。いずれも250ppmF用と450ppmF用に調整する(表7-1)。このうち,毎日法では250ppmF用で十分な効果が期待できる。説明書の指示に従って,専用のポリエチレン製の容器で家庭でも容易に一定のフッ素濃度の溶液をつくることができる。フッ化ナトリウム試薬を使用する場合,秤量は歯科医師あるいは薬剤師,医師が行う(表7-2)。費用が安価であるので,学校などの集団を対象とする場合,特に週1回法の場合には,しばしば用いられる方法である。薬事法上,薬剤は劇薬扱いであるが,処方通りに溶解してフッ素として1%(10,000ppm)以下になったものは,普通薬として取り扱われている。
家庭内で応用する場合の対象者は,①定期歯科健診のなかで,家庭でのセルフ・ケアの一環としてすべての来院者に指導する対応,②前歯部のう蝕保有者,多数歯のう蝕修復処置,あるいは経過観察としての歯の白濁がみられる場合や矯正治療中など,う蝕発病リスクの高い患者への対応がある。
フッ化物洗口は,2000年4月から,「う蝕多発傾向児」に対する指導料として保険算定が認められている。この場合,保険給付が可能なう蝕多発傾向児については,保険給付されるのが指導料であり薬剤授与ではないことから,歯科医師の指導を受けたうえで薬局に行かなければ薬剤を購入することができない16)(表8)。
通常,処方する量は3~6ヵ月分であり,歯科医院で定期歯科健診のプログラムと併せて行うことが効果的である。
施設での応用として保育所・幼稚園では,日課にあわせた毎日法(週5日法)が,学校におけるフッ化物洗口は,週単位のスケジュールに組み込まれた週1回法が推奨される。施設では,継続性が確保できるので,高いう蝕予防効果が期待できる。その反面,実施までのステップとして,①行政におけるフッ化物洗口の理解,②関係者の合意,③フッ化物洗口実施現場における理解,④保護者の理解をえるための説明,⑤不安をもつ人への対応,⑥フッ化物洗口事業の予算,⑦施設における実施などいくつかのステップが必要となる16)。
薬剤としてフッ化ナトリウム粉末を用いる場合は,歯科医師(または医師)によって処方され,薬剤師(または歯科医師,医師)によって計量される。この場合学校歯科医は薬剤師に処方箋を出し,学校長に対しては指示書をだす。薬剤の管理のための薬剤出納簿への記録と使用するフッ化ナトリウムの保管は学校で行う。
通常は,保育所・幼稚園では7mlの洗口液で,学校では10mlで,各1分間洗口液でブクブクうがい(洗口)を行う。洗口時間は,施設の職員が監督する。洗口後30分程度は,洗口や飲食をひかえる。調整した洗口液の残りは,集団応用では実施の都度廃棄する。
3)う蝕予防効果
フッ化物洗口法は,咬合面,頬舌面,隣接面のいずれにおいても高い効果が確認されているが,平滑面う蝕に対する予防効果は大きく,前歯部にはう蝕の発生がほとんどみられなくなる。う蝕予防効果は,フッ化物濃度(洗口頻度)にはあまり関係なく,開始年齢と継続期間に影響される。小学校において6年間実施した場合にその効果は,30~50%の効果が得られ,その効果は,中学3年生あるいは20歳まで継続することが報告されている。また,保育所・幼稚園(4歳)から中学生(14歳)まで実施した場合は,70~80%のう蝕予防効果が得られている。さらに成人に対しても40%の予防効果が報告され,高齢者においても根面う蝕の予防に効果的であることが示されている2)(表9)。
4)他のフッ化物応用との組み合わせ
日本では全身応用が実施されていないので,フッ化物洗口法と他の局所応用法を組み合わせて実施しても,フッ素の過剰摂取にはならない。例えば,幼稚園で週5回フッ化物洗口を行っている子供が,家庭で毎日フッ化物配合歯磨剤を使用して,歯科医療機関で年に数回フッ化物歯面塗布を受けても,特に問題はない。
6歳未満児への応用については,WHOが1994年,テクニカルレポート(Series No.846,Fluoride and Oral Health)において,6歳未満の就学前児童を対象としたフッ化物洗口法は推奨されないという見解を示した17)。これは他の経路から摂取されるフッ化物の総量によって歯のフッ素症のリスクが増加することが背景となっていた。これに対し,日本の実状を踏まえた「就学前からのフッ化物洗口法に関する見解」が,1996年に口腔衛生学会フッ化物応用研究委員会によってまとめられた18)。フッ化物の全身応用が普及している他の国々と状況が異なり,わが国の公的機関は4歳からの実施を推奨している。
5.フッ化物配合歯磨剤
1)フッ化物配合歯磨剤の概要
フッ化物配合歯磨剤の使用によるう蝕予防は,歯みがきが習慣化している者には最も利便性の高い方法である。日本を除く先進諸国では,1980年代にすでにフッ化物配合歯磨剤の市場占有率は90%に達しており,過去20年間にこれらの国々でみられたう蝕の減少は,フッ化物配合歯磨剤によるところが大きいとされている。わが国でも,年々その市場占有率は増加し,最新のデータでようやく約90%の占有率となっている。国際的なフッ化物応用の推奨基準をみても,最も基本的な応用法として位置づけられ,定期的なフッ化物歯面塗布やフッ化物洗口法と併用して用いることができる。
製剤の形状は,①ペースト状歯磨剤が最も多く,その他に,②泡状歯磨剤,③液体歯磨剤がある。わが国のフッ化物配合歯磨剤のフッ素濃度は1000ppm以下と規定されていて,ほとんどのフッ化物配合歯磨剤では,900~1000ppmである。わずかに小児用として100ppmのペースト状歯磨剤と液体のスプレータイプの製剤(レノビーゴR)がある。歯磨剤に配合されるフッ化物は,ほとんどがフッ化ナトリウム(NaF)かモノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)であり,わずかにフッ化第一スズ(SnF2)を使用した製剤がある。
2)フッ化物配合歯磨剤使用法
フッ化物配合歯磨剤のう蝕予防メカニズムは,歯みがき終了後に歯面,唾液,歯垢など口腔内に保持されたフッ化物による酸酸性抑制作用と再石灰化促進作用であるとされている。特に就寝前にフッ化物配合歯磨剤を使用することによって,唾液中のフッ化物が就寝中,日中の使用よりも有意に高く保持され,再石灰化に有効に作用する。
このフッ化物配合歯磨剤の頻度や使用量の基準は,これらの作用機序と安全性の両面から決定されるものである。すなわち,再石化化促進能のある唾液中フッ素濃度0.05ppm以上をできるだけ長時間維持することが重要であり,フッ化物配合歯磨剤のフッ素濃度,製剤の形状,1回使用量,使用後の洗口程度などが関連する要因となる。現在では,この使用法に対する研究が蓄積されており,単にフッ化物配合歯磨剤の使用推奨だけでなく,具体的な使用法の指導を行う必要があると指摘されている。
使用対象年齢は,本法が自分で行うセルフ・ケアと位置づけられており,本人が歯磨剤の使用後に吐き出しができる3歳頃から全年齢層に使用できる。吐き出しができない低年齢児が自分で行う場合には,フッ素濃度100ppFのスプレータイプのフッ化物配合歯磨剤や,使用量が少なくてすむ1000ppm泡状歯磨剤が勧められる。母親等の保護者による仕上げ磨き時の使用については,1000ppmのフッ化物配合歯磨剤を0.25gを使用した場合に含まれるフッ素量は0.25mgであり,体重1kg当たり2mgという急性中毒発現域よりは大幅に少ないが,母親には使用量および使用後のふき取りなどの十分な指導が必要となる。
使用回数は,3歳から6歳未満では1日2回,6歳以上では1日2回以上フッ化物配合歯磨剤による歯磨きが勧められる。1日の使用回数が多いほど,歯垢中のフッ化物濃度は高くなり,継続して使用することで,唾液中のフッ素濃度を高く保つことができる。
歯磨剤の使用量については,吐き出しができる3歳から6歳未満では,永久歯が形成されている期間であるため,過剰摂取をすると歯のフッ素症のリスクが高まる可能性があるので使用量に注意して使用するための保護者への指導が必要である。具体的には,小児用歯ブラシの植毛部の1/2以下である0.25mgが勧められる。永久歯の歯冠部の形成時期が終わる6歳以上では歯のフッ素症の心配がないので効果が優先される。成人用歯ブラシの植毛部の1/2以上に相当する0.5g~1.0g以上の使用が勧められる(図3)5)。0.5g以上のフッ化物配合歯磨剤(1000ppm)の使用は,唾液のフッ化物濃度を120分以上にわたって再石灰化の促進に効果的な0.05ppmFに維持されることが確認されている。また,フッ化カルシウム(CaF2)が形成されるフッ素濃度の下限は300ppmであるとされ,CaF2の形成には,通常の120秒の歯磨きで1.0g以上の使用が必要であると指摘されている19)。
歯磨き終了後のうがいは過度にならないように4秒間ずつの3回を限度とする。また歯磨き直後の飲食は避けるように指導する。
3)フッ化物配合歯磨剤のう蝕予防効果
内外のフッ化物配合歯磨剤の臨床試験によれば,2~3年間の応用により,小児の永久歯う蝕が20~40%予防されることが示され,フッ化物配合歯磨剤を生涯にわたって使用すればその効果はさらに増加すると見込まれている。また成人に対する効果をみても,Jenson&Kohoutの報告で,54歳以上を対象に1日2回,1年間にわたり1100ppmのフッ素濃度のフッ化ナトリウム配合歯磨剤を使用した群では,対照群と比較して,歯冠部で41%,歯根部で67%のう蝕予防効果が確認されている(表10)2,5,20)。
6.フッ化物徐放性材料およびその他のフッ化物製剤
臨床で用いられるフッ化物徐放性材料には,小窩裂溝填塞材(フィッシャーシーラント),レジン・セメント修復材および合着材がある。その他のフッ化物製剤には,ボンディング,フッ化物配合歯面清掃剤,フッ化物バーニッシュ,フッ化ジアミン銀がある。
フッ化物徐放性修復材料は,グラスアイオノマーセメントを端緒として,コンポジットレジンやアマルガムに配合した製剤も開発されている。その作用機序には,①フッ化物の歯面への直接的取り込み,②唾液中へのフッ化物イオン溶出,③フッ化物貯蔵(リザーバー),④フッ化物の抗菌作用の4点が期待されている。いずれも,in vitroや短期的なin situにおける確認が行われていて,効果の検証が不十分なものもみられる。しかしいずれもフッ化物配合製剤としてのう蝕予防抑制効果が期待できる方法であり,今後の臨床応用の蓄積が求められる5)。
高濃度のフッ化物をできるだけ歯面に付着・停滞させる目的で粘着性をもたせたフッ化物バーニッシュは1970年代から利用されている。わが国では,FバーニッシュTM(東洋製薬化成株式会社),ダイアデントTM(昭和薬品化工株式会社)があり,配合されているフッ化物イオン濃度は22600ppmである。その作用機序は,象牙質表層へのフッ化物取り込み,CaF2の生成,象牙細管の狭窄と閉塞による知覚過敏の鈍麻がある。
フッ化ジアミン銀(サホライドTM)は,初期う蝕の進行抑制,二次う蝕の抑制,知覚鈍麻,根管治療などの治療薬として用いられている。
まとめ
フッ化物応用は,科学的根拠の高い効果と安全性の確保されたう蝕予防法である。これは,歴史的には水道水フッ化物添加など全身応用がその端緒であり,優れた公衆衛生的対策として位置づけられてきた。しかしながら,わが国では全身応用は採用されておらず,局所応用として,は各診療室レベルあるいは個人レベルで展開されている。この局所応用法による効果は,対象者が継続的に実施して始めて成果があがるものであり,歯科受診行動をはじめとする口腔保健行動の啓発する診療室の予防歯科システムが求められる。その実施状況は,年々増加する傾向にあるが,う蝕の罹患状況からみた住民への普及度はいまだに十分ではなく,住民側が選択できるフッ化物応用のメニューもそれほど多くない。
国民の40%以上が毎年,歯科を受診しているわが国では21),臨床の場面におけるフッ化物応用の意義は高い。歯科臨床の場面で,来院者の生涯にわたる口腔保健改善の手段として,フッ化物応用と作用機序に基づいた指導が求められる。また,わが国で実施されているフッ化物を用いた公衆衛生対策であるスクールベースのフッ化物洗口は,地域保健の一環を担う歯科医師として,その啓発と普及に関する臨床医の役割は大きい。
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(深井穫博共著:内科的歯科治療-くすりの時間です,歯科臨床におけるフッ化物の局所応用,第1版,デンタルダイヤモンド社,東京,2005年8月を一部改変)